歯並びの他に、遺伝するものはある?
はじめに
歯並びが親や先祖から子へ遺伝することはよく言われていますが、ご存知でしたか?
歯並びが遺伝することは割と知られていますが、歯科的な特徴には他にも遺伝が影響する部分が実はとても数多く存在するのです。
このブログでは、歯の形状や顎の構造、唾液の特性など、歯科的な観点から見た遺伝的特徴について詳しく掘り下げていきます。これにより、私たちのお口の環境がどのように作られていくのかを理解していただくきっかけになると思います。ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
歯並びとその遺伝メカニズム
歯の形状や顎の骨格は主に遺伝子によって決定されます。
特定の遺伝子が活動することで、顎の成長の方向や速度、歯の大きさや形が形成されるのです。例えば、ある遺伝子は直接的に歯の発生(顎の骨に歯として存在すること)に関与しており、これらの遺伝子に変異があると、歯並びの異常が起こりやすくなります。
また、ある特定の遺伝子は歯の数や配置に影響を与えることが知られています。
これらの遺伝的な要因によって人それぞれの歯並びが左右され、それが口腔内の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
次の部では、これらの遺伝的な特性以外にも歯科の観点からして重要な他の遺伝的な特徴についてお伝えしていきます。
歯科における遺伝するその他の特徴
歯科的な特徴は遺伝によって多くが決定されます。
これには歯の形状やサイズ、顎の骨格、さらには唾液の性質や顔面筋肉の構造が含まれます。
これが、とても親子間で似ている。ということが、実はよくあるのです。
歯の形状とサイズ
歯の大きさや形は親から子へと遺伝する特徴の一つです。歯の形状や数に関わる特定の遺伝子は、これらの特性を制御します。このため、家族間で似た歯の形を持つことは一般的です。歯科検診で、親子でお越しになられたときにお口の中を拝見すると、歯の形がお母様にとてもよく似ているお子様の永久歯を見かけることが、よくあります。
遺伝子が正常に引き継がれているかどうかで、歯の大きさが正常範囲を超えることや、逆にとても小さい場合などに、歯並びに問題が生じることもあります。
顎の骨格
顎の骨格は遺伝的な要因にとても大きく依存します。特に下顎の成長パターンは遺伝の影響を強く受けます。顎の形状やサイズが歯並びに与える影響は大きく、これが顎関節症や咬合異常の原因となることもあります。遺伝的に小さい顎は、歯が密集する原因となり得ます。
この、下顎の成長パターンが似てくるということで歯並びの呼び方として「受け口」や「出っ歯」として歯並びが遺伝してしまいます。
下顎の発達が著しいほど「受け口」になる傾向が多く、下顎の成長が見込めない場合に上顎だけが目立ってしまい。「出っ歯」として歯並びが形成されてしまうのです。
唾液の性質
唾液の組成も遺伝によって影響を受けます。例えば、唾液の粘度や酸性度は遺伝子によって変わるため、これが口内環境や歯の健康に直接的な影響を与えることがあります。唾液が多く分泌されるか少ないかは、虫歯や歯周病のリスクに大きく影響します。
ですが、この唾液の出る量や酸性度の問題はお口の中のケアや日頃の生活習慣によっても改善が見込めるために、気がついた後すぐから見直すことが可能です。
顔面筋肉の構造
顔面の筋肉の配置や強さも遺伝的に影響を受ける要素です。筋肉の発達が良い場合、咬み合わせの力が強くなりますが、これが過度になると歯への過負荷や摩耗を引き起こすことがあります。逆に、筋肉が弱い場合は、顎の位置が後退しやすくなり、これが顎関節症の一因となることがあります。
これらの特徴は、遺伝が口内環境に及ぼす影響の一端を示しています。次の部では、これら遺伝的な特徴に加えて、環境的な要因がどのように影響を与えるかを解説します。
まとめ
歯科的特徴における遺伝の重要な役割を再確認しました。
遺伝と環境への理解は、効果的な歯科治療と予防策を計画する上でとても大切です。
親や祖先から受け継いだこの命は、この世に生をもたらしてくれたとても貴重なチャンスでもあります。ですが、遺伝による歯並びなどによって悩んでいる方はとても多くいます。
それにより、親を責めてしまうことや自分の境遇を憂いてしまう方も少なくはありません。
ですが、歯並びは遺伝的に何かしらのリスクがあるかもしれない。
時が来た時に、治療を開始して歯並びを整えることが現代では可能です。
もう50年前では矯正治療は今までのように一般的ではありませんでした。
それにより、歯並びをいくら気にしても改善することができずにそのまま過ごさなければならないという方がとても多くいたのです。
なので、考えようによっては現代に生まれてきたからこそ、変化を起こせるチャンスがご自身の目の前にゴロゴロ広がっているという風に前向きに捉えていただくことができれば、幸いです。
歯並びでお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。